
「10万円以下で仕込む半導体材料・検査装置株2選」の決算数字を検証してみた
公開:

タダシ
編集長のタダシです。 『10万円以下で仕込む半導体材料・検査装置株2選』という注目株記事、見かけましたよね。 書かれている決算数字を、公式の決算短信と一緒に確かめましょう。
結論:巴川コーポレーションとウインテストの決算数値は、決算短信の原文とおおむね一致していました。
『10万円以下で買える』『初動注目』とうたう銘柄紹介記事です。 ですが、書かれている決算数字そのものは、東証に開示された決算短信と照合しても大きなズレはありませんでした。 そのかわり、記事の後半には見慣れた誘導が置かれています。

タダシ
数字が合っているからといって、記事の狙いまで安心とは限りません。 僕はいつも、数字と誘導を分けて確認しています。
結論を先に置きます
話題にするのは、株情報サイト「今買えばいい注目株」(gori-gori.com)が2026年7月13日に公開した記事『【注目株】10万円以下で仕込む半導体材料・検査装置株2選|初動注目』です。 記事は、巴川コーポレーション(3878)とウインテスト(6721)の2銘柄について、株価・PER・PBR・決算数値を挙げて紹介しています。 まず結論から。 ① 2社の中間期・通期の決算数値(売上高・営業利益・純損益・自己資本比率など)は、決算短信の原文と照合してもおおむね一致していました。 ② 一部の数値(一部指標のPER算出根拠、直近四半期の一部実績)は、一次資料での直接確認までは至らず、二次情報や複数の独立した報道で整合を確認するにとどまりました。 ③ 記事の後半には、AI投資ツール『IF』と無料LINE配信『先読みテンバガーナビ』への誘導が置かれています。この2つは、当ラボの別記事ですでに検証済みです。 この記事は『数字が怪しい』というより、正確な決算情報を入り口にして、誘導へつなげるタイプの記事だと言えそうです。
POINT
この記事自体の数字が「嘘」という話ではありません
3つに分けて見る
『銘柄紹介記事の数字がどこまで正確か』は、決算短信という一次資料と照合すれば確認できます。 今回は①巴川コーポレーション ②ウインテスト ③記事後半の誘導、の3つに分けて見ていきます。
| 見る切り口 | 記事の記載 | 決算短信との照合 |
|---|---|---|
| ① 巴川コーポレーション(3878) | 中間純利益5億7,200万円(前年同期比24.6%減)など | 決算短信の数値と一致 |
| ② ウインテスト(6721) | 2025年12月期 純損失12億4,200万円(EPS△23.45円)など | 決算短信の数値と一致 |
| ③ 記事後半の誘導 | AI投資ツール『IF』・無料LINE『先読みテンバガーナビ』 | 当ラボの別記事で検証済み |

タダシ
3つとも、大きな『誤り』は見当たりませんでした。 ただ③の誘導部分は、①②の正確な数字とセットで出てくる、という点は覚えておきたいところです。
① 巴川コーポレーションの数字を確認する
記事は巴川コーポレーション(3878)について、 『株価目安768円(2026年7月10日15:30時点)』 『PER8.56倍(2026年3月期実績)/16.90倍(2027年3月期予想)、PBR0.45倍、時価総額約79.8億円』 『2026年3月期第2四半期(中間期)実績:売上高171億6,100万円(前年同期比0.4%減)、営業利益9億5,500万円(同3.6%増)、経常利益10億2,400万円(同0.3%増)、中間純利益5億7,200万円(同24.6%減)』 と紹介しています。

同社が東証に開示した2026年3月期第2四半期(中間期)決算短信(2025年11月11日付)を確認すると、次のとおりでした。

巴川コーポレーション(3878)中間期決算:記事の記載と決算短信の比較
- 売上高
- 記事171億6,100万円/決算短信171億6,100万円(△0.4%)=一致
- 営業利益
- 記事9億5,500万円/決算短信9億5,500万円(3.6%増)=一致
- 中間純利益
- 記事5億7,200万円(△24.6%)/決算短信572百万円(△24.6%)=一致
- 自己資本比率
- 記事32.6%(前期末33.1%)/決算短信32.6%(前期末33.1%)=一致
- 通期業績予想
- 記事:売上360億円・営業利益14億円/決算短信:36,000百万円・1,400百万円=一致
注意
PERの算出根拠までは確認できませんでした

タダシ
決算短信で確認できる数字は、驚くほど正確に一致していました。 ただし『PER』のような指標は、どの期のEPSを使うかで意味が変わるので、算出根拠までは僕も追い切れませんでした。
決算数値そのものに大きな問題は見当たりません。 ですが『この銘柄、買っていいのかな』と迷ったら、LINEで一緒に整理しましょう。
② ウインテストの数字を確認する
記事はウインテスト(6721)について、 『株価目安88円(2026年7月10日15:30時点)』 『PER89.79倍(2026年12月期会社予想)、PBR15.93倍(2025年12月期実績)、時価総額約48.6億円』 『2025年12月期実績:売上高4億2,900万円、営業損失12億1,800万円、純損失12億4,200万円(1株益マイナス23.45円)』 『2026年12月期通期予想:売上高16億6,200万円、営業利益5,600万円、純利益5,200万円(1株益0.98円)』 と紹介しています。

同社が開示した2025年12月期決算短信(2026年2月16日付)を確認すると、次のとおりでした。

ウインテスト(6721)2025年12月期決算:記事の記載と決算短信の比較
- 売上高
- 記事4億2,900万円/決算短信429百万円(2.9%増)=一致
- 営業損失
- 記事12億1,800万円/決算短信△1,218百万円=一致
- 純損失・EPS
- 記事12億4,200万円・EPS△23.45円/決算短信△1,242百万円・△23.45円=一致
- 自己資本比率
- 記事37.4%(前期57.0%)/決算短信37.4%(前期57.0%)=一致
- 2026年12月期通期予想
- 記事:売上16.62億円・純利益5,200万円・EPS0.98円/決算短信:同数値=一致
注意
直近四半期の実績と自己資本比率44.1%は、原本への直接アクセスができませんでした

タダシ
『黒字転換予想』は聞こえがいいですが、直近の四半期はまだ大きな赤字が先行しています。 『予想』と『実績』は、僕は必ず分けて見るようにしています。
小型・薄商いの銘柄は値動きが大きく、PERやPBRも数日で変わります。 『今の数字はどうなってるの』と思ったら、LINEで聞いてください。
記事の後半にあるのは、いつもの誘導です
銘柄紹介の内容そのものは、決算短信と照合が取れました。 ですが記事のサイドバー・末尾には、「今買えばいい注目株」(gori-gori.com)でおなじみの誘導が置かれています。 ひとつは、AI投資ツール『IF』の広告です。『勝率80%超のバックテスト実績』とうたい、抽出銘柄の『利益率297.0%』『890.0%』といった実績を大きく表示しています。

もうひとつは、無料LINE配信『先読みテンバガーナビ』への登録案内です。 この2つの誘導先については、当ラボの別記事ですでに詳しく検証済みです。 AI投資ツール『IF』の検証記事では、金融庁が『IF-イフ-』を無登録で金融商品取引業を行う者として公表している事実を確認しています。 『先読みテンバガーナビ』の検証記事でも、投資助言・代理業の登録は確認できませんでした。

タダシ
決算数字を正確に紹介したうえで誘導する、という組み合わせは、僕から見ると『信頼してもらいやすい入口』にあえてしている印象があります。 数字が合っているからこそ、次の誘導も一度立ち止まって確認してほしいところです。
『IF』や『テンバガーナビ』に登録する前に確認したいことがあれば、LINEで一緒に整理しましょう。
銘柄紹介記事を読むときのチェック
- 決算数値は、決算短信・有価証券報告書などの一次資料で照合できるか確認する
- 「PER」「利回り」など、算出根拠となるEPS等が示されているかを確認する
- 「株価目安」「時価総額」は取得日を必ず確認する(数日で数値は動く)
- サイドバーや記事末尾の「AI投資ツール」「無料LINE配信」は、運営会社名・登録状況を確認してから判断する
- 「勝率」「利益率」など自称の実績数値は、算出期間・条件・第三者検証の有無を確認する
- 迷ったら、登録前に第三者に相談する
6つのチェックを並べましたが、全部を毎回やるのは大変です。 迷ったときだけ、LINEで聞いてください。
まとめ|決算数字は正確でも、誘導先は別に確認する

タダシ
もう一度言います。 この記事の決算数字が『間違っている』という話ではありません。 ただ、その正確な数字とセットで、誘導も置かれていることは覚えておいてください。
| 見る切り口 | 記事の記載 | 決算短信との照合 |
|---|---|---|
| ① 巴川コーポレーション(3878) | 中間純利益5億7,200万円(前年同期比24.6%減)など | 決算短信の数値と一致 |
| ② ウインテスト(6721) | 2025年12月期 純損失12億4,200万円(EPS△23.45円)など | 決算短信の数値と一致 |
| ③ 記事後半の誘導 | AI投資ツール『IF』・無料LINE『先読みテンバガーナビ』 | 当ラボの別記事で検証済み |
改めて整理します。 巴川コーポレーション・ウインテストとも、決算短信で確認できる数値はおおむね記事の記載と一致していました。 一方で、一部のPER算出根拠や直近四半期の一部実績は、一次資料での直接確認までは至りませんでした。 そして記事の後半には、AI投資ツール『IF』・無料LINE配信『先読みテンバガーナビ』という、当ラボの別記事で検証済みの誘導が置かれています。 銘柄紹介記事を読むときは、『数字の正確さ』と『誘導先の安全性』は別物として確認することをおすすめします。
POINT
気になる記事があれば
【結局のところ、安全?危険?】編集部の本音
「で、結局この案件って、申し込んでいいの? ダメなの?」 ここまで読んでくれた方が一番知りたいのは、たぶんこの一点だと思います。 気持ちは、すごく分かります。 編集部としては、公的記録・契約条件・SNSの体験談まで、ひと通り目を通したうえで、「自分の家族や友人から相談を受けたら、どう答えるか」の答えはちゃんと持っています。 ただ、ネット上の記事は誰でも読めるので、踏み込んだ判断材料は本記事には書ききっていません。 もう一歩踏み込んだ話は、LINEで個別にお返事しています。
警告
ちなみに、知っておいてほしいこと

ヒント
編集長タダシより

