
「みんなで大家さん」は危ない?行政処分・分配金遅延・集団訴訟を公的資料で時系列整理
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結論を先に置きます
「想定利回り7%」「1口100万円から、運用は全部おまかせ」——そう訴求して、報道ベースで 約4万人・出資残高1500億円超 を集めたとされる不動産の小口化商品、それが 「みんなで大家さん」 です。 まず、確定している事実から並べます。 ① 2024年6月、大阪府と東京都 が、運営にかかわる会社に対し 不動産特定共同事業法に基づく業務の一部停止命令(行政処分)を出しました。これは公的記録です。 ② 2025年7月31日、主力の「成田」シリーズで 分配金(配当)の支払い遅延 が出資者に通知されました。 ③ 2026年に入り、出資者による 集団訴訟 が起こされ、大阪地裁は同年3月、運営側に 出資金の返還を命じる初の判決 を出しています。 一方で、「詐欺」と断定できる公的証拠は現時点では確認できません。行政処分の理由は、主に 重要事項の説明義務違反 と 書面の虚偽記載 です。本記事では、公的資料で確認できる事実と、報道ベースの情報を分けて 整理します。
警告
先に、いちばん大事なことを
3つに分けて見る
「みんなで大家さん」は情報が多く、何が事実で何が憶測か分かりにくくなっています。 そこで、①行政処分 ②分配金の遅延 ③訴訟と出口 の3つに分けて、それぞれ「確定情報か、報道ベースか」を明示しながら見ていきます。
| 見る切り口 | 何を確認するか | 情報の種類 |
|---|---|---|
| ① 行政処分 | 2024年6月の大阪府・東京都による業務一部停止命令と、その理由 | 確定(公的記録) |
| ② 分配金の遅延 | 2025年の「成田」シリーズの分配遅延、規模、原因 | 報道ベース+当事者通知 |
| ③ 訴訟と出口 | 集団訴訟・返還命令・解約の実態 | 判決は確定/規模は報道ベース |

① 行政処分(2024年6月)
まず、いちばん固い事実から。 2024年6月、大阪府は都市綜研インベストファンド株式会社に、東京都はみんなで大家さん販売株式会社に、それぞれ 不動産特定共同事業法に基づく業務の一部停止命令(各30日間)と指示 を出しました。 これは、両自治体が公式に公表している 行政処分 です(大阪府の公表/東京都の公表)。
行政処分の概要(大阪府・東京都の公表より)
- 処分日
- 2024年6月(大阪府・東京都ともに)
- 処分内容
- 不動産特定共同事業に係る業務の一部停止(各30日間)及び指示
- 根拠法令
- 不動産特定共同事業法 第35条第1項(業務停止)・第34条第1項(指示)
- 主な理由
- 事業プラン変更という重要事項の説明を怠った/成田16号で開発許可の有無に事実と異なる記載をした
ポイントは、処分理由が 「儲からなかったから」ではない ということです。 東京都の処分理由には、成田プロジェクトの計画見直しという 投資判断に重要な事項を十分に説明していなかった こと、そして成田16号商品で 開発許可を受けていない土地を「許可済み」と書面に記載していた ことが挙げられています。 つまり、「説明と書面の正確さ」という、投資商品の土台の部分 で行政の指摘を受けた、という事実です。ここは推測ではなく公的記録として押さえておきます。
注意
「行政処分=詐欺」ではない、が…
② 分配金の遅延(2025年)
行政処分の翌年、より直接的な問題が表面化します。 2025年7月31日、運営側は主力の「成田」シリーズ(成田1〜18号)の出資者に対し、分配金の支払い遅延を告げる文書 を送付したと報じられました。東京新聞の報道などが伝えています。

分配金遅延まわりの数字(報道ベース)
- 遅延通知日
- 2025年7月31日
- 対象
- 「成田」シリーズ 1〜18号
- 出資者・残高
- 約4万人/出資残高 約1,557億円(2025年3月末時点・報道)
- 成田事業の進捗
- 全体で約2.3%(2025年1月時点・報道)/完了予定は約4年8カ月遅延
ここは多くが 報道ベース の数字なので、その前提で読んでください。 ただ、「想定利回り7%」で集めたお金の使い道(成田事業)が、進捗2.3%・4年8カ月遅れ という報道は、利回りの数字とのギャップが大きい。 分配金は「事業がうまくいっていれば」払われるもの です。その原資となる事業が大きく遅れているなら、利回りの数字そのものより 「その利回りはどこから来るのか」 を見るべきだった、という典型的な事例になっています。
③ 訴訟と「出口」の現実
2025年後半から2026年にかけて、出資者による 集団訴訟 が本格化します。 報道によれば、2025年11月に出資金の返還を求める集団提訴(原告約1,191人)、2026年2月には追加提訴で原告は計2,500人規模に拡大したとされます。 そして2026年3月、大阪地裁は運営側に出資金の返還を命じる初の判決 を出しました(日本経済新聞の報道)。
注意
「解約できる」と「すぐ戻る」は別の話
運営にかかわる会社(国税庁 法人番号公表サイトで確認)
- 都市綜研インベストファンド株式会社
- 法人番号 3120001140771/大阪市北区堂島1-1-5
- みんなで大家さん販売株式会社
- 法人番号 4010001124280/東京都千代田区二番町12-3
時系列でおさらい
| 時期 | できごと | 種類 |
|---|---|---|
| 2024年6月 | 大阪府・東京都が業務一部停止命令(各30日) | 行政処分(確定) |
| 2025年7月31日 | 「成田」シリーズの分配金遅延を出資者に通知 | 報道+当事者通知 |
| 2025年10月 | 東京都が解約説明について行政指導 | 行政指導(確定) |
| 2025年11月〜2026年2月 | 集団提訴、原告2,500人規模に拡大 | 報道ベース |
| 2026年3月 | 大阪地裁が出資金返還を命じる初判決 | 判決(確定) |

小口不動産を見るときのチェック
「みんなで大家さん」に限らず、不動産の小口化商品・クラウドファンディングを検討するときに、この事例から持ち帰れるチェック項目を5つにまとめます。
- 運営会社に行政処分歴がないか(所管の都道府県・国交省の公表や報道を検索)
- 想定利回りの「原資」が説明されているか(どの事業のどんな収益から払うのか)
- 解約・換金の条件と、実際にかかる期間(「最長◯年」などの注記を見る)
- 対象事業の進捗が公開されているか(計画だけで、進捗が見えないものは要注意)
- 「元本保証」「必ず」などの断定表現がないか(不動産小口化に元本保証は原則なじまない)
POINT
分析マン的メモ
まとめ
| 切り口 | 確認できる事実 | 受け取り方 |
|---|---|---|
| 行政処分 | 2024年6月に大阪府・東京都が業務一部停止命令 | 説明義務違反・書面の虚偽記載が理由。詐欺認定ではないが重い指摘 |
| 分配金 | 2025年7月に「成田」シリーズで遅延通知 | 原資の事業(成田)が進捗2.3%・大幅遅延と報道 |
| 訴訟・出口 | 2026年3月に大阪地裁が返還命令(初判決) | 解約はできても返金は最長1年後と報道。出口の実態を重視 |
繰り返しますが、「みんなで大家さん」を 「詐欺」と断定できる公的証拠は、現時点では確認できません。 ですが、行政処分・分配金遅延・返還命令 という確定情報が積み重なっているのも事実です。 検討中なら利回りより先に処分歴と出口を、すでに出資していて不安なら早めに公的・専門の窓口へ。判断材料を、感情ではなく記録で持つ のがいちばんの自衛です。
POINT
「この不動産投資、大丈夫?」と思ったら
【結局のところ、安全?危険?】編集部の本音
「で、結局この案件って、申し込んでいいの? ダメなの?」 ここまで読んでくれた方が一番知りたいのは、たぶんこの一点だと思います。 気持ちは、すごく分かります。 編集部としては、公的記録・契約条件・SNSの体験談まで、ひと通り目を通したうえで、「自分の家族や友人から相談を受けたら、どう答えるか」の答えはちゃんと持っています。 ただ、ネット上の記事は誰でも読めるので、踏み込んだ判断材料は本記事には書ききっていません。 もう一歩踏み込んだ話は、LINEで個別にお返事しています。
警告
ちなみに、知っておいてほしいこと

ヒント
編集長タダシより

