
ハイメディックジャパン「恵みのシリカ」投資詐欺事件とは?マッチングアプリ勧誘×製造終了サプリの手口を整理
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結論を先に置きます
「サプリ事業に出資すれば 3カ月で10%の利益 が出る」——そんな投資話を持ちかけて現金をだまし取ったとして、サプリメント販売会社 ハイメディックジャパン の社長・重富真佐枝容疑者(72)ら3人が、詐欺の疑いで逮捕されたと報じられました。 先に、この事件から持ち帰ってほしい結論を3つ置きます。 ① 投資のダシにされた商品「恵みのシリカ」は、報道によれば 勧誘の時点で製造がすでに終了していた とされています。「実在する商品」と「現在も動いている事業」はまったく別物です。 ② 入口は マッチングアプリ。恋愛や交流のつながりから投資に話が移った瞬間に、警戒レベルを一気に上げてください。 ③ 「3カ月で10%」は年利換算で約40%。この数字が出てきた時点で、事業の中身を見るまでもなく成立しない水準 です。 この3点を、報道と公的資料で順番に確認していきます。
警告
被害は約100人・1億2000万円と報じられています
まずは3つに分けて見る
| 切り口 | 勧誘で言っていたとされること | 確認できた事実・報道 |
|---|---|---|
| ① 投資話 | 「サプリ事業への投資で3カ月で10%の利益」 | 報道によれば 商品の製造は終了済み。配当原資となる事業実態は不明 |
| ② 勧誘経路 | マッチングアプリで知り合った相手からの紹介 | ロマンス詐欺型の導線 と一致。警察庁が注意喚起する典型手口 |
| ③ 会社の実体 | 「銀座のサプリ会社」 | 国税庁の登記情報では 同名法人は大阪府枚方市で登記され、2025年6月に登記記録が閉鎖 |
本記事は、被疑者の有罪・無罪を断定するものではありません(報道時点で容疑の段階です)。 やりたいのは、報道された事実と、公的資料から確認できる事実を分けて並べる こと。そして「同じ構図の勧誘が来たときに、どこで見抜けたか」を整理することです。
① 事件の概要——何が起きたのか

報道を時系列で整理します。 2024年1月ごろ、愛知県春日井市の公務員男性が、マッチングアプリで知り合った女性から小池順也容疑者を紹介され、「恵みのシリカ」事業への投資を勧誘されたとされています。 男性は 150万円 を出資。しかし配当はいつまでも支払われず、不審に思って警察に相談したことが摘発のきっかけになったと報じられています。 メ〜テレの報道によれば、2026年6月、愛知県警は重富真佐枝容疑者(72)、会社役員の岡本英利容疑者(27)、自営業の小池順也容疑者(27)の3人を 詐欺の疑い で逮捕しました。 ここで注目したいのは、容疑が金融商品取引法違反ではなく 「詐欺」 だという点です。 投資絡みの摘発では、形だけ商品や事業を用意して「投資は自己責任」という体裁で逃げる業者が多く、立件も金商法違反どまりになりがちです。今回は 製造が終わった商品への投資を募っていた、つまり最初から実態がなかったと判断されたからこそ、ストレートに詐欺容疑が適用されたとみられます。
POINT
分析マン的メモ|「詐欺容疑での逮捕」は珍しい
② 手口——マッチングアプリ×製造終了サプリ
手口は大きく3段階です。 第1段階:出会い。 マッチングアプリで知り合った女性が「投資に詳しい人」として小池容疑者を紹介。恋愛・好意の文脈で警戒心を下げる、ロマンス詐欺と同じ導線です。 第2段階:投資話。 「恵みのシリカ」というサプリ事業への出資で「3カ月で10%の利益」「元本は保証される」とうたっていたと報じられています。 第3段階:放置。 出資後、配当は支払われず、連絡も実を結ばない——。 この流れは、警察庁がSNS型投資・ロマンス詐欺の統計で繰り返し注意喚起している典型パターンそのものです。警察庁の集計では、令和6年(2024年)のSNS型投資詐欺の認知件数は10,237件・被害額は約1,271.9億円 と、前年から3倍近くに膨らんでいます。 国民生活センターも「いったん振込してしまうと、被害回復が困難です」と明言しています。マッチングアプリやSNS発の投資話は、入金した時点でほぼ負け と考えておくべきです。

ここで「3カ月で10%」という数字を冷静に見てみます。 3カ月で10%は、単純計算で 年利約40%。一般的な投資信託なら年5%で十分優秀、プロ向けファンドでも年40%を継続できる商品はまず存在しません。 しかもサプリメントは競合が多く、広告費がかさむ典型的なレッドオーシャン商材。「サプリの販売益で年40%配当」は、事業計画として最初から破綻しています。 金融庁も詐欺的な投資勧誘への注意喚起で、「元本保証」「絶対に儲かる」と説明して勧誘すること自体が禁じられていると明記しています。「高利回り+元本保証」のセットが出てきたら、その時点で席を立ってください。

③ 会社の実体——登記を調べてみた
ハイメディックジャパンの会社情報(公表情報ベース)
- 商号
- ハイメディックジャパン株式会社
- 登記上の所在地
- 大阪府枚方市(国税庁法人番号公表サイトより)
- 通販サイト上の表記
- 東京都中央区銀座6丁目(現在は確認不能)
- 登記の状態
- 2025年6月に登記記録の閉鎖(清算の結了等)
- 金融商品取引業の登録
- 確認できず
編集部で国税庁法人番号公表サイトを確認したところ、「ハイメディックジャパン株式会社」(法人番号5120001150397)の登記上の所在地は 大阪府枚方市 で、令和7年(2025年)6月26日付で「登記記録の閉鎖等(清算の結了等)」 と記録されていました。 ここで時系列を並べると、不自然さが際立ちます。 2024年ごろ:「恵みのシリカ」の製造が終了していたと報道 2025年6月まで:投資名目の資金集めが続いていたと報道 2025年6月:同名法人の登記記録が閉鎖 2026年3月:通販サイトが販売停止を告知 2026年6月:3人が詐欺容疑で逮捕 会社の登記が閉じられた後も、サイト上では商品が「販売中」のように見えていた ことになります。出資者に「事業は続いている」と見せるための演出だった可能性は否定できません(推測:報道と登記情報の照合ベース)。 なお、通販サイトの表記(銀座)と登記上の所在地(枚方市)が食い違う点も、本店所在地の移転等の登記が確認できない以上、会社の実体を判断するうえでマイナス材料です。

もうひとつ、制度面の確認です。 「事業への出資を集めて、収益を分配する」スキームは、法形式を問わず金融商品取引法上の 集団投資スキーム(ファンド) に該当し得ます。金融庁は「登録を受けずに、一般投資家に対して、ファンドへの出資の勧誘等をすることは、法律違反の可能性があります」「無登録業者からの勧誘は、詐欺的な商法であるおそれが高い」と明記しています。 「投資してください」と言ってきた会社が金融庁に登録されているか——この1点を調べるだけでも、かなりの確率で危険な案件を弾けます。
同じ手口に引っかからないためのチェックリスト
- マッチングアプリ・SNSで知り合った相手から投資話が出たら、その時点で詐欺を疑う(恋愛と投資が同じ場所から来ることはまずない)
- 「3カ月で10%」「元本保証」など、年利10%を大きく超える話は数字だけで断る
- 投資対象の商品・事業が「今も動いているか」を確認する(商品が実在しても製造・販売が止まっていれば意味がない)
- 勧誘してきた会社を国税庁法人番号公表サイトで検索し、登記の所在地・閉鎖の有無を見る
- 金融庁の登録業者一覧・無登録業者警告リストを確認する
- 「その場で決めて」と急かされたら、必ず一晩持ち帰る
まとめ|「商品が実在する」は安心材料にならない
| 切り口 | 結論 |
|---|---|
| ① 投資話 | 「3カ月で10%・元本保証」は年利約40%相当。事業計画として最初から成立しない数字 |
| ② 勧誘経路 | マッチングアプリ発のロマンス詐欺型導線。警察庁統計でも被害が急増している典型手口 |
| ③ 会社の実体 | 登記は2025年6月に閉鎖。通販サイトの「販売中」表示と実態の乖離が大きい |
この事件の怖さは、手口が「単純」なことです。 偽の取引画面も、複雑な金融商品も出てきません。実在した商品の名前と、人の好意につけ込む導線だけ で、報道ベースで約100人・1億2000万円の被害が出ています。 「商品を見たことがある」「会社のサイトがある」「紹介してくれた人がいい人だった」——どれも、お金を預けてよい理由にはなりません。判断材料にすべきは、登記・金融庁登録・数字の現実性 の3つだけです。
POINT
「この投資話、大丈夫?」と思ったら
【結局のところ、安全?危険?】編集部の本音
「で、結局この案件って、申し込んでいいの? ダメなの?」 ここまで読んでくれた方が一番知りたいのは、たぶんこの一点だと思います。 気持ちは、すごく分かります。 編集部としては、公的記録・契約条件・SNSの体験談まで、ひと通り目を通したうえで、「自分の家族や友人から相談を受けたら、どう答えるか」の答えはちゃんと持っています。 ただ、ネット上の記事は誰でも読めるので、踏み込んだ判断材料は本記事には書ききっていません。 もう一歩踏み込んだ話は、LINEで個別にお返事しています。
警告
ちなみに、知っておいてほしいこと

ヒント
編集長タダシより

