
エヴァンハワイ(EVAN FUND)の返金はなぜ進まない?合同会社「社員権ファンド」スキームの危険性を検証
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結論を先に置きます
「知識不要でプロにお任せ」「いつでも解約可能」「リスク保証22.5%」——1口100万円の出資を集めたファンド 『エヴァンハワイ(EVAN FUND)』 の話です。 結論を先に3つ。 ① エヴァンハワイは 合同会社の「社員権」を販売する形 で出資を集めていました。これは金融商品取引業の登録を回避するために多用され、2022年に内閣府令が改正されるほど問題になったスキーム です。 ② 運営法人は 商号を変更したのち、2024年12月に解散の公告が出たと報じられています。一方で公式サイトには今も「返金対応を誠実に進めております」という文言が残っています。 ③ SNS上では「3年待っても返金されない」「連絡が取れない」という声が継続しており、返金が実際に完了したという確認可能な報告は見つかりませんでした。 「いつでも解約できるはずのお金が、なぜ3年戻らないのか」。仕組みから順番に見ていきます。
警告
このスキームは国が制度を変えるレベルで問題になりました
まずは3つに分けて見る
| 切り口 | 勧誘時の説明 | 確認できた事実・報道 |
|---|---|---|
| ① スキーム | 「ブリッジ型投資信託」「プロが運用」「リスク保証22.5%」 | 実態は 合同会社の社員権販売。運用先の社名は「非開示」とされていた |
| ② 運営の現在 | (説明なし) | 運営法人は 商号変更(GBT)を経て解散公告 と報じられる。登記上の商号変更は国税庁サイトで確認 |
| ③ 返金 | 「いつでも解約可能」「返金対応を誠実に進めております」 | 返金完了の確認可能な報告なし。SNSでは未返金の訴えが継続 |
先に整理しておくと、エヴァンハワイについて 行政処分や刑事事件化の公的記録は、編集部が確認した範囲で見つかっていません(金融庁の無登録業者警告リストにも掲載なし・2026年6月11日時点)。 だからこそ、この記事では 登記情報と公的な制度解説で確認できる事実 を軸に、何が起きたのかを整理します。
① スキーム——「社員権ファンド」の正体

エヴァンハワイの建て付けを整理します。 ① 出資者は1口100万円で 合同会社の「社員権」 を購入する(=形式上は「会社の仲間になる」) ② 集まった資金は社名非公開の海外運用会社がFXのドル円中心で運用するとされた ③ 年利5%超の実績・最大配当率18.2%・リスク保証22.5%・毎月配当・いつでも解約可——という好条件が並ぶ ポイントは①です。本来、不特定多数からお金を集めて運用するファンドは、金融庁の解説にある通り 金融商品取引業の登録が必要 で、「登録を受けずに、一般投資家に対して、ファンドへの出資の勧誘等をすることは、法律違反の可能性があります」とされています。 ところが「合同会社の社員権」という形を取ると、当時の制度では登録なしで出資を募れる余地がありました。規制の隙間に建てられたファンド だったわけです。 この問題を受けて金融庁は注意喚起を出し、「合同会社等の社員権の取得勧誘を業務執行社員以外の者が、業として行う場合、金融商品取引業の登録が必要となります」と、2022年10月施行の制度改正を明示しています。 さらに「運用先の名前は情報漏洩防止のため非開示」という説明もありました。通常のファンドなら目論見書に必ず書かれる情報が「秘密」とされた時点で、検証可能性はゼロ です。
POINT
分析マン的メモ|「保証」と「いつでも解約」の読み方
② 運営の現在——商号変更、そして解散
運営法人の登記情報(国税庁法人番号公表サイトベース)
- 旧商号
- 合同会社EVAN HAWAII
- 商号変更
- 2023年5月に「合同会社GBT」へ変更(登記で確認)
- 所在地
- 東京都港区浜松町(登記上)
- 解散
- 2024年12月に解散公告と報じられる(官報原文は未確認)
- 金融商品取引業の登録
- 確認できず(2026年6月11日時点)
編集部で国税庁法人番号公表サイトを確認したところ、運営法人「合同会社EVAN HAWAII」(法人番号4020003017481・東京都港区浜松町)は、2023年5月に商号を「合同会社GBT」へ変更 したことが登記上確認できます。 さらに参考記事や被害者の発信によれば、このGBTは 2024年12月に解散し、官報に解散公告が掲載された とされています(官報原文は編集部未確認)。公告には「債権を有する方は2カ月以内に申し出を」という趣旨の記載があったとされ、これが事実なら、申し出期間はすでに過ぎています。 ここで重大な矛盾が生まれます。会社が解散公告を出したと報じられる一方で、公式サイトには今も「返金対応を誠実に進めております」と表示されている のです。サービス名と法人名が切り離され、誰が・どの法人として返金義務を負っているのかが、外からまったく見えません。 なお、解散公告で清算人として名前が挙がったとされる人物が代表を務める別の合同会社(United Elite合同会社・神奈川県)も登記上実在しますが、同社が出資募集を行っている事実は確認できていません。法人を乗り換えながら活動が続く可能性 は、この種の案件で常に警戒すべきポイントです(推測:被害者発信・参考記事ベース)。

③ 返金の実態——「対応中」のまま3年

SNS上の出資者の声を時系列で拾うと、状況の深刻さが分かります。 「約3年前に社員権スキームに遭いました。(中略)社名変更で合同会社GBTになり、弁護士3回代わって誰も返金まで交渉出来ませんでした」(2025年12月の投稿) 「ずっと返金対応しているというだけ。LINEで返信もしなくなり(中略)ずっと期限を引き延ばされているだけで返金されません」(2025年1月の投稿) 一方、公式サイトはこうした声を「事実に基づかない誤解や誹謗中傷」と位置づけ、返金遅延の 経緯説明のないまま「対応中」の表示を続けています。 金融庁は無登録業者について「預けた資金を出金しようとしたときに(中略)出金の拒否や法外な出金手数料を請求されたりする。また、これまで連絡が取れていたのに急に連絡が取れなくなる」というトラブル類型を公式に警告しています。エヴァンハワイで報告されている状況は、この類型の教科書的な経過 をたどっています。

注意
出資して返金待ちの方へ
社員権・私募ファンド勧誘のチェックリスト
- 「社員権」「持分」「私募」という言葉が出たら、金融庁登録の有無を最初に確認する
- 運用先・運用者の社名が非開示のファンドには出資しない(目論見書に書けない運用先は存在しないのと同じ)
- 「リスク保証◯%」は保証する主体の財務力まで確認できなければ無意味と考える
- 解約条件(申請可能日・手数料・返金までの期間)を契約前に書面で確認する
- 運営法人の商号変更・解散の履歴を国税庁法人番号公表サイトで定期的に確認する
- 返金遅延が始まったら「待つ」のではなく、記録を揃えて公的窓口・弁護士へ動く
まとめ|「登録を避ける工夫」をしている時点で答えは出ている
| 切り口 | 結論 |
|---|---|
| ① スキーム | 社員権販売による登録回避型ファンド。国が制度改正で塞いだ手法そのもの |
| ② 運営の現在 | 商号変更(登記確認済み)→解散公告と報じられる。責任主体が見えない状態 |
| ③ 返金 | 「対応中」表示のまま3年。返金完了の確認可能な報告は見つからない |
エヴァンハワイの教訓は、好条件の数字ではなく 「なぜこの形で売るのか」 に目を向けることです。 本当に運用に自信のあるファンドなら、金融商品取引業の登録を取り、目論見書に運用先を書き、規制の中で堂々と売ればいい。登録を避ける工夫に知恵を使っている時点で、守られないのは出資者の側 だと考えてください。 「保証付き」「いつでも解約可」という言葉は、返してもらえて初めて意味を持ちます。
POINT
「このファンド、出資して大丈夫?」と思ったら
【結局のところ、安全?危険?】編集部の本音
「で、結局この案件って、申し込んでいいの? ダメなの?」 ここまで読んでくれた方が一番知りたいのは、たぶんこの一点だと思います。 気持ちは、すごく分かります。 編集部としては、公的記録・契約条件・SNSの体験談まで、ひと通り目を通したうえで、「自分の家族や友人から相談を受けたら、どう答えるか」の答えはちゃんと持っています。 ただ、ネット上の記事は誰でも読めるので、踏み込んだ判断材料は本記事には書ききっていません。 もう一歩踏み込んだ話は、LINEで個別にお返事しています。
警告
ちなみに、知っておいてほしいこと

ヒント
編集長タダシより

